今回、CMに木村拓哉さんを再起用していたのは、「若い方からミドル層の方まで認知度があり、世代を超えた"かっこいい"の象徴であり、常に自身をアップデートする唯一無二の存在であるため。今はNetflixなどで昔のドラマがみられたり、Y2K(2000年代リバイバル)の流行もあり、昔の木村拓哉さんの写真を見せて『こんな感じにしてください』と美容院でオーダーする人もいる。トレンドは巡っている」(柳井さん)からだという。
ヘアスタイルへの熱量は高まっている
「今は、InstagramやYouTubeで情報発信している美容師さんやインフルエンサーから情報を得て、スタイリング方法を勉強している子も多い。見た目はナチュラルで、一見スタイリングしているように見えない子も増えているが、情報収集の方法が多様化し、いろいろな手段で情報を集め、細部にまでこだわって作り込もうとしている。そういう点では、ヘアスタイルへの熱量は昔と同じくらい、いやそれ以上に高いのではないかと感じている」(柳井さん)
街を歩いていると、ナチュラルなヘアスタイルの人が増えていて「スタイリング離れが起きているのでは」と言われることも多い。
しかし「関心が薄れているのではなく、行動が変わっただけ。今の若い人は作り込んでいることを見せずに自然に見えるように仕上げることにこだわっている。具体的には細かい束感や髪の毛の細かい動きを表現しているのですが、外から見えにくくなっただけ。かけている手間はむしろ増えた」(柳井さん)という。
若者文化に詳しい長田さんも、「美容全般で『頑張ってないように見せる』ことがすごく大事にされているポイント。一見自然で何もしていなさそうに見えて、実はすごく頑張っているというのはよくある」と分析する。
「女性の場合はメイクで個性を表現できますが、ジェンダーレス化が進んでいるとはいえ、男性ではまだメイクをする方が少ない。そのため、ファッションやTPOに合わせた個性を表現するには、ヘアスタイルでということになる。そういう意味では、男性の方が服以外で個性を出せる場所として、髪型が担う役割は大きい」(根本さん)
一見、女性の方が、髪型を華やかに整え、手が込んでいるように見えるが、男性はさりげなく見せながらもこだわりが詰まっているようだ。
美容に力を入れる男性も増え、ひと昔前に比べ、巷には「イケメン」が格段に増えた今、ヘアスタイルで切り取って街を見渡してみると、また違った見え方になるかもしれない。


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