うなぎパイは、2代目の幸一氏が旅先で得た「浜名湖=うなぎ」という言葉に着想を得て開発された。うなぎの骨などからとった出汁を粉末状にした「うなぎエキス」を練りこみ、かば焼きをイメージして成形した商品だ。
名前のわりに、風味・食感いずれにも「うなぎ」を感じない。普通の人の舌では感じられないが、一流シェフやソムリエが食べたらわずかに感じるそうだ。
日本の発展とともに成長したうなぎパイは、販売開始から現在まで、右肩上がりで成長している。しかし好調な主力商品に隠れ、ある問題がじわじわと広がっていた。
うなぎパイの好調が隠した「4億6000万円の赤字」
2008年、4代目の山崎貴裕社長(当時副社長)と青年会議所活動で出会い、春華堂に入社した間宮純也さん。
当時のうなぎパイ事業の年間売り上げは40億円程度。一方で、会社全体としての黒字は3億円程度にとどまっていることに対し、山崎副社長と間宮さんは疑問を抱いた。どこかに「水漏れ」が発生しているはずだ。
「調べてみたところ、和菓子・洋菓子部門で年間約2億6000万円の赤字が、何年も放置されていたことが判明しました。さらに直営部門・営業部門でも約2億円の赤字が発生しており、うなぎパイ事業以外で、合計約4億6000万円もの赤字を抱えていることが判明しました」
しかも、こうした赤字構造は一時的なものではなく、何年にもわたって続いていた。
「部門別に数字を見て初めて、会社の本当の姿が見えてきました。皮肉なことに、好調だったうなぎパイ事業が、会社の弱点を隠していたんです」


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