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ライフ #見た目の科学 人はなぜ“外見”に翻弄されるのか

Netflix『ダウンタイム』が示した《脳の盛りグセ》というカラクリ…人が"自分の顔"に満足できなくなるバグの正体

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ダウンタイム
リアルな美容整形の実情と、人の欲望について深く切り込んだドラマ『ダウンタイム』(画像:Netflix Japan公式インスタグラム @netflixjpより)
  • 宮本 文幸 「見た目」戦略研究家/桜美林大学ビジネスマネジメント学群教授
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素顔の写真では、日頃見慣れている鏡像の写真のほうを選んだ。ここまでは予想どおりだ。ところが、化粧をした顔の写真では、結果が逆になった。他人から見た自分の顔である正像の写真のほうを、「より自分らしい」と判断したのだ。

つまり化粧をした途端、脳は自分の顔の基準を、「鏡の中の自分」から「他人から見られる自分」へ切り替えている。化粧は、顔の見た目だけでなく、自分の顔を見る“視点”まで変えているのかもしれない。

危険な手術に踏み切った、がん患者のゆり子(画像:Netflix Japan公式インスタグラム @netflixjpより)
別人級の変貌を遂げ、念願だった遺影を撮った(画像:Netflix Japan公式インスタグラム @netflixjpより)

自分視点の顔は、いつも「現実とは2割のギャップ」がある

ここからは、筆者の仮説である。

人は、自分の顔を実際より魅力的に認識する傾向がある。実験では、自分の顔写真に魅力的な顔を1〜2割ほど混ぜた画像を、本物の自分の顔だと判断する傾向があった(※6)。

つまり、自分視点の顔は左右反転しているだけでなく、実際より"盛られて"いるのだ。特に自分の顔を実際より魅力的に認識しやすい人はそうなりやすい。平均的には誰しもそうした傾向が見られるが、自分を好まない人では逆になる可能性も指摘されている(※6)。

では仮に、美容整形やメイクで顔の見た目が変わったとする。他人視点の顔は、確かに変わる。一方、自分視点の顔は、どうなるか。

まず、毎日鏡で見ているうちに、新しい顔の鏡像にも、すぐ見慣れてしまう。そしてこの新しい顔にも、1〜2割ほど盛って自分の顔を認識することになる。

わかりやすく、説明のための単純な数字で考えてみよう。

実際の顔の魅力度を100とする(これは自分の尺度での100だ)。脳は、それを2割盛った120の顔を「自分」だと思っている。しかし他人視点である、不意に撮られた写真に映るのは、100の顔だ。ここに、2割の差がある。

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