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ライフ #見た目の科学 人はなぜ“外見”に翻弄されるのか

Netflix『ダウンタイム』が示した《脳の盛りグセ》というカラクリ…人が"自分の顔"に満足できなくなるバグの正体

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ダウンタイム
リアルな美容整形の実情と、人の欲望について深く切り込んだドラマ『ダウンタイム』(画像:Netflix Japan公式インスタグラム @netflixjpより)
  • 宮本 文幸 「見た目」戦略研究家/桜美林大学ビジネスマネジメント学群教授
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では、その「自分の顔」と聞いて、思い浮かべるのはどんな顔だろうか。多くの人は、毎日鏡で見ている顔だろう。しかし、他人が見ているのは、それとは別の顔である。

鏡に映る顔は、左右が反転している。ある実験では、人は自分の顔写真を、左右反転した「鏡像の写真」のほうが好ましいと感じることがわかっている。友人や恋人からは、反転していない「正像の写真」を好まれた(※2)。

人にとって、毎日見慣れた顔が「自分の顔」になっているのだ。本稿では、鏡像を「自分視点の顔」、正像を「他人視点の顔」と呼ぼう。

「自分なりの理想」を追い求め、だんだんと自分の顔を客観視できなくなっていくキャバクラ嬢の佐緒里(画像:Netflix Japan公式インスタグラム @netflixjpより)

自撮り写真は「鼻が約3割大きく」写る

しかも、他人視点の顔は、1枚の像ではない。同じ人物でも、写真が違えば、受ける印象は別人ほど違う。研究では、同じ人物の写真同士のバラつきが、別人同士のバラつきと同じ程度に大きかった(※3)。自分は、たいてい決まった角度と表情の顔に見慣れている。他人は、角度も表情も光も違う顔を、その都度見ているのだ。

自撮りの顔も、別物である。腕を伸ばした程度の近距離で撮影した写真は、数理モデルの推計で、鼻が約3割大きく写る(※4)。

脳は自認と他認の2つの顔のうち、どちらを「自分」だと思っているのか。ここに、意外な実験結果がある。

化粧品会社のカネボウが、脳科学の研究者らと行った共同研究で、被験者は20〜30代の女性32名。素顔の写真と、普段のお出かけ用の化粧をした顔の写真を、それぞれ2種類用意した。左右反転させた「鏡像の写真」と、反転させていない「正像の写真」である。これを見て、どちらが「より自分らしい」と思うかを判断してもらった(※5)。

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