政策のタイミングにも疑問がある。
日々のマーケットを見ていると、中古マンションの一部には価格を下げる動きがあり、調整段階に入っていると感じる。市場全体の下落とまでは言えないが、以前ほど強気で転売できる時期は終わりつつあるようだ。買えば値上がりし、売れば儲かる。そんな相場を頼みにしてきた転売ヤーは、金利上昇の影響もあってすでに激減しているように見える。
その投機の熱が冷め始めたところへ、さらに重い税をかける。対策として、遅きに失した感もある。
もちろん、将来の投機再燃を防ぐ意味はあるだろう。ただ、今の価格を下げる効果と、将来の過熱を防ぐ効果は、分けて評価すべきではないだろうか。
買い手が減る一方で、売り物も減る
短期譲渡への重い課税(短期重課)を実行すれば、価格を下げる方向に働くのは間違いないだろう。
税引き後の利益が小さくなれば転売目的で買う人は減る。そして実需層が購入時に競り合う相手も減る。確かに効果はあるように思える。
だが、一方で価格を上げる方向に働く可能性も生じる。
それが、その後の「供給面」への懸念だ。
例えば、すでにマンションを持っていてある程度の含み益のある人は、こう思うだろう。
「短期で売ると税金が高い。それなら、税率が下がる長期になるまで持っていよう」、と。本来なら市場に出ていた可能性がある中古の売り物が出てこなくなるのだ。
昨今のマンション価格高騰の要因の1つとして、新築マンションの供給が減ったことが挙げられている。「供給が減ることで価格は上がる」ことは歴史が証明している。
転売ヤーなどの買い手が減る効果と、売り物が減る効果。
中古マンションの流動性が低下することで価格がどう動くかは、正直未知数だ。


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