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「言葉の変化に注意しろ」 岩屋×王毅会談に秘められた中国の変心、「最悪の日中関係」改善へ中国が見せた"譲歩"のサイン

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王毅と岩屋毅
中国の王毅外相(右)と会談した日本の岩屋毅前外相。その際の発言が注目されている(写真:新華社/アフロ)
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「こうした動きを注視すべきだ」と、前出の緒方氏は主張する。「中国は、これまで共同宣言などで使ってきた『中国はひとつ』という言葉を日本に言ってほしいということ。今年11月には深圳市でAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議が行われ、中国がホスト国を務めるが、日中関係が現状のままではまずいので、関係改善を狙っているはず」。

要するに中国が意図するところは、高市首相に「台湾有事発言」を「なかったこと」にさせるのではなく、これまで日中両国が認識していた「事実」でもって「上書き」させるということになった。ある意味で中国からの譲歩ともいえる。

「4つの文書はいずれも自民党政権時に作成されたもので、高市首相がそれを踏襲しても矛盾はない」と緒方氏は語る。「日本の外務省も国家安全保障局も、それに気づいているはず。あとは高市首相がどのタイミングで表明するかだろう」。

王氏から「是正発言」を引き出した岩屋氏は9月29日、習近平主席の側近中の側近として知られる何立峰副首相と面会。岩屋氏は50人の企業役員を率いて訪中した日本国際貿易促進協会会長として、何氏に民生レアアースの対日輸出許可手続きの迅速化を求め、何氏から「民生分野であれば問題がない」と承諾する回答を引き出した。

高市政権が見つめ直すべき「外交の基本」

1972年に国交正常化した際の周恩来氏(左)と田中角栄首相(写真:AP/アフロ)

なお、こうした動きについて、中国はもちろん、日本政府も無関係であるはずがない。

8月下旬に訪中した伊佐議員は『月刊日本』26年10月号のインタビューで、「訪問の全行程に在中国日本大使館の館員が同行した」「私の発言内容は政府と事前に打ち合わせも踏まえて決めたもの」と述べ、訪中が日本政府の了承を得たものであること、および大使館から日本政府に詳細に報告されていることを認めている。

日本と中華人民共和国は54年前の9月29日、正式に国交を樹立した。米中が正式に国交を樹立する7年も前の出来事だった。当時の中国国務院総理だった周恩来氏は「飲水思源」(困ったときに助けてくれた人の恩義を忘れない)の故事成句を好んで使用した。

1978年10月に来日した鄧小平副主席(当時)は、ロッキード事件で検察の追及を受けていた田中角栄元首相の私邸を訪問し、「水を飲むときに、井戸を掘った人々のことを忘れない」と日中国交正常化に尽くした功を労った。

このように国と国との歴史を丁寧につづっていくことこそが、外交の基本ではないだろうか。

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