「ある土曜日でした。日勤で9時間勤務の間、レジデント(若手医師)とチームを組んで救命救急に当たっているときに、計12台の救急搬送を受け入れました。しかし、そのうちの4台は救急車の扉が開くと、搬送されてきた人が、自分自身の足でスタスタと降りてくるのです」
おでこに熱を冷ますための冷却ジェルシートを貼っていたり、搬送されてきた人に声をかけると「1週間前から調子が悪くて、病院にかかってみようと思った」と話す人もいたりしたという。
「これまで何度も近所の診療所を受診する機会があったのにもかかわらず、週末になっても、どうにも調子がよくならないので、『救急車を呼ぼうと考えた』というのです」(井上医師)
1日当たり、10件超の救急搬送
救急搬送には、重症度に応じて二次救急、三次救急の医療機関へと運ばれる仕組みがある。
市中の病院が担っている「二次救急」は、手術や入院が必要な患者に24時間体制で救急医療を提供するものだ。対して、「三次救急」はさらに重篤な患者――例えば大やけど(重症熱傷)や、心肺停止など生命の危険に瀕している患者に対応する。
同院は三次救急を担う重要な役割を持っていて、2025年に3793件の救急搬送を受け入れた。1日当たり、10件超の救急搬送に対応している計算になる。


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