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授業で習っている歴史は「報告書」? 「アテネ」と「スパルタ」ばかり扱う歴史の裏に隠された"教科書のリアル"

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教科書を読む学生
教科書で学んでいる「歴史」とは、いったい何なのか(写真:buritora/PIXTA)
  • 西岡 壱誠 一般財団法人ドラゴン桜財団代表理事・ドラゴン桜2編集担当
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ここまで来ると、最初の疑問に対する答えが見えてきます。

「なぜ、教科書ではアテネとスパルタばかり扱うのか?」

それは、この2つが古代ギリシア史の中心的な強国だったからです。そして、対照的な社会として説明しやすいからでもあります。

ただし、それだけではありません。

何より、現代の僕たちが比較的詳しく語れる史料が、この2つ、特にアテネに偏って残っているからです。

ほかのポリスについて何もわからないわけではありません。考古学的な発掘や碑文の研究によって、以前より多くのことが明らかになっています。

それでも、すべてのポリスを同じ解像度で描くことはできません。

教科書は過去をそのまま写した「写真」ではなく、残された断片をもとに描かれた「地図」なのです。細い道まで描かれている地域もあれば、輪郭しかわからない地域もあります。

教科書の記述量の差は、必ずしも当時の重要度の差だけではありません。

僕たちが現在、どこまで見ることができているかの差でもあるのです。

この話は、日本史にもつながります。有名なのが、鎌倉幕府の成立年をめぐる議論です。

「1192年か1185年か」と同じ問題

かつては「イイクニつくろう鎌倉幕府」という語呂合わせで、1192年と覚えるのが一般的でした。源頼朝が征夷大将軍に任命された年です。

その後、全国に守護・地頭を置く権限を得た1185年を重視する説明が広まり、「鎌倉幕府の成立は1185年に変わった」と言われるようになりました。

しかし、実際の議論は「1192年を1185年に置き換えれば終わり」というほど単純ではありません。

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