さらにこれまでのセンチュリーは、ごく少数が一部地域へ輸出されることはあったが、基本は「日本専用車」だった。だが、シン・センチュリーは、最初から世界市場を見据えて開発され、海外での販売という挑戦も始めた。
そして今、センチュリーの生き様は、1車種のフルモデルチェンジという枠組みすら飛び越えようとしている。 トヨタでもない、レクサスでもない、独立した最高峰ブランドへの昇格。掲げられた旗印は「One of One」。
そんな最新のセンチュリーは、用途やシーンに合わせた「3つの着こなし」を提案する。セダンは伝統のFRと格式を守り抜き、国家の威厳を体現する至高の正装で「タキシード」のような存在。シン・センチュリーは広大な機能性と品格を両立し、世界のビジネスの最前線で戦うリーダーの旗艦であり「ビジネススーツ」のような存在。
そして、ジャパンモビリティショー2025で示されたクーペは、現時点では提案に過ぎないが、西陣織の室内と変則観音開きドアを纏い、パーソナルな歓びと究極の寛ぎを融合させた新次元の華やぎであり、「パーティドレス」のような存在だ。
パワートレインは未発表でも
筆者はクーペの姿を前にしたとき、視線はその長いボンネットと、刻まれた2つのエアアウトレットに引き寄せられた。フロントアクスルからAピラーまでの伸びやかなプロポーションは、シン・センチュリーの横置きパッケージとは明らかに異なり、縦置きマルチシリンダーの気配を漂わせている。
パワートレインについて問われた開発陣は、「皆さんで想像してみてください」と意味深な笑みを浮かべるのみ。だが、そのシルエットが何かを語りたがっている。マルチシリンダーの咆哮なのか、それとも次なる100年を見据えた水素を用いた革新の電動化ユニットなのか。長いボンネットの奥には、エンジニアたちの想いとロマンが満ち満ちている。


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