筆者はフランス人が日本の市役所で婚姻届を提出できることを知らなかったが、どうやら日本で提出した婚姻届はウェディングプランナーによってフランスに送られ、フランスの市役所で受理される仕組みらしい。取材時点では「まだフランスからの証明書が来ないので首を長くして待っているところなのです」とセリーヌさんは言っていた。悪名高きフランスのお役所仕事の遅さは、在仏日本人ならば誰もがうなずいてくれるであろう。この記事が掲載される頃には、セリーヌさんの元へ無事に証明書が届いていることを祈る。
さて、京都市役所で婚姻届を提出した翌日、夫妻は豊国神社で神前式を挙げた。
まず朝8時に着付けへ。セリーヌさんの着物は、事前に「赤い着物がいい」とお願いし、いくつかの候補のなかから好きなものを選んでいた。
娘ロマンちゃん用の子供の着物は、フランスにいる間にAmazonで購入していたが、袖が肘までしかなく半袖状態だった。
「日本の着付け師の方に『この着物はサイズが小さすぎる』と教えてもらいました。私たちは着物の袖丈に決まりがあることを知らなかったのです。だって洋服だと決まりがなくて自由でしょう?だから着物も袖が半袖でもいいと思っていたのです。でもそれは違うんだと理解し、その場でロマンの好きな桜色の着物をレンタルしました」
カラスが鳴くのは歓迎のサイン
神前式では、日本語で誓詞を上げた。
夫のジャン・フィリップさんは、式の3日前にローマ字がふられた祝詞を渡されホテルで練習。「彼は大変そうでしたが、私は自分の名前を言うだけだったのでラクチンでした」とセリーヌさんは笑う。
式が終わった瞬間、カラスがカァと鳴いた。「神道ではカラスは神様の使徒で、カラスが鳴くのは歓迎のサインだと教えてもらって、すごく嬉しかったんです」


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