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剣道で来日、リーマンショックで"時給数百円"に落ちたアメリカ人が「忍法を学ぶ相棒」と《日本最大級のジン蒸溜器》を造れた訳

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日本最大級のジン蒸溜器を造った、マイケル・ピアスさん(左)と、ロバート・ストックウェルさん
日本最大級のジン蒸溜器を造った、マイケル・ピアスさん(左)と、ロバート・ストックウェルさん(写真:筆者撮影)
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住む場所として選んだのは、千葉県野田市。世界的にも有名な古武道の道場である「武神館」の本部道場があり、「戸隠流忍法」を教える初見良昭氏に学ぶためだった。当時は毎日、多い時には1日に2~3回、道場に行く日もあったという。

その傍ら、月謝を稼ぐため、15年ほど幼稚園などで英語講師をした。その後は10年近く、国際弁護士のヘッドハンターとして働いた。しかし、日本語が苦手というマイケルさん、古武道はどう学んだのだろう。

「道場の日本語と、普通の日本語は違うでしょ? 道場で使うのは専門の日本語だから、わかる」

30年以上経った現在も、週に1度は道場に通い続けている。

テイスティングルームにある甲冑は、古武道の先生からいただいたもの(写真:筆者撮影)

ビールの品評会での出会い

こうして別々の道を歩んできたボブさんとマイケルさんが出会ったのは、2010年頃。「ちゃんと覚えていないけれど、クラフトビールの品評会かな?」とふたりは話す。ふたりともクラフトビール業界に友人がおり、ブルワリーで働いた経験があるボブさんと、当時からビールが好きで勉強していたというマイケルさんに、審査員としてオファーがあったそうだ。

ボブさんは、オブラートに包まずストレートに評価をした。もちろん悪意があったわけではなく、「このプロセスはこうだからうまくいかないのでは?」と、建設的なフィードバックを心がけた。そうすることが醸造者のためになると考えたからだ。この姿勢はマイケルさんにも共通しており、お互いに気が合うなと感じて交流が始まった。

それからしばらく経った2015年頃、マイケルさんとジンとの出会いが訪れる。古武道仲間から、「蒸溜をやってみないか?」と勧められたのだ。最初は乗り気ではなかったが、「おもしろいよ」と誘われ、「じゃあ」と軽い気持ちで蒸溜を始めた。実際に蒸溜をしてみると、「楽しい!」。その後、仲間が経営していたベルギーのサース蒸溜所で、蒸溜の方法を一通り学んだ。

日本に帰ってきたあと、ベルギーで造ったジンのプロトタイプを、ボブさんやビールの品評会で知り合ったメンバーに試飲してもらった。そのメンバーを選んだのは、ビールの品評会での経験があったからだ。「嘘が好きじゃないから、ちゃんと正直に意見をくれると思った」。

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