「レトルトをかけると、高圧・高温になるので、骨まで柔らかくなってボロボロになってしまうんです。それに、肉もパサつきやすい。せっかく手羽先を食べてもらうのに、それではよくない。柔らかさを保ちながら日持ちさせるために、長時間かけて煮込んでいます」(石川さん)
保存性を高めるだけなら、レトルト処理という方法もある。しかし、それによって手羽先の食感や肉質が変わってしまうのであれば、石昆が目指す商品にはならない。そこで、味と食感を損なわずに日持ちさせる製法を追求してきた。
昆布屋だからこそつくれる手羽煮
その一方で、石昆ならではの味を生み出しているのが、昆布である。
乾燥した昆布を水で戻す工程で生まれるだしを使い、そこにしょうゆなどを合わせて手羽先を炊き上げる。昆布の旨みを土台にしながら、しょうゆと八丁味噌、ピリ辛という味を展開してきた。
「うちは昆布をやっていないと手羽が作れないんです。普通の手羽先屋さんとは、そもそもスタート地点が違う。昆布を戻したときに出るだしを使えるのは、昆布屋だからこそです」(石川さん)
「うみぁーっ手羽」の面白さは、まさにここにある。昆布屋として長年培ってきた技術や素材の扱い方があったからこそ、手羽先という新しい商品が生まれたのである。


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