まず、誰もが認める『八つ墓村』の聖地といえば、岡山県西部・備中エリアの高梁市にある「広兼邸」でしょう。作中に登場する名家「田治見家」として、歴代の映画・ドラマに登場しています。
特に1977年公開の松竹映画(野村芳太郎監督、渥美清さん主演)、1996年公開の東宝映画(市川崑監督、豊川悦司さん主演)、そして2004年放送のフジテレビドラマ(星護監督、稲垣吾郎さん主演)の3作品でも、そのシーンは印象的です。
聖地「広兼邸」で行われた、大規模ロケーション撮影の全容
広兼邸は、周辺の銅山(小泉銅山)とローハ(ベンガラの原料)の製造で巨万の富を築いた庄屋の邸宅だった場所。2581㎡の敷地内に、美しい建築の楼門をはじめ、2階建ての母屋、土蔵3棟、長屋などの建物を有しています。
庭園には、当時としては珍しかった「水琴窟(すいきんくつ)」があり(現在も使用可能)、当時の裕福な暮らしぶりがうかがえます。丘の上にある邸宅は、堂々たる石垣を構えた、山城のような建築物です。本作でも、企画段階から広兼邸でのロケは必須条件だったとのことで、クレーンを使った圧倒的なスケールで撮影されました。
また、母屋の内外や中庭が使われたほか、屋敷に続く長い坂道は印象的なシーンとして登場しました。こちらは、幕末の土方歳三の生涯を描いた映画『燃えよ剣』(21年、原田眞人監督、岡田准一さん主演)のロケ地としても話題となり、公開当時は多くの聖地巡礼客が訪れました。


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