だがアップルの参入によって、折り畳みスマートフォンへの関心と出荷台数は大きく高まるとみられる。アップルが製品を投入することは、同社が折り畳みという形状に市場価値を見いだしたことを意味する。現状の構成比が2%以下だからといって、「ニッチな市場」とだけ捉えるのは早計だ。折り畳みスマートフォンは、販売台数だけを競うモデルではない。既存のスマートフォンとは異なる表示領域や使い方、いわば「ポスト・スマホ」を求めるユーザーに向けた高付加価値製品でもある。
「社長スマホ」として人気、ファーウェイの3つ折りスマホ
iPhone Duoは、本体を開閉した際のシームレスな画面遷移や、2つのアプリを効率よく扱うユーザーインターフェースなど、アップルらしい完成度を備えた製品に仕上がっている。大手メーカーとしては折り畳みスマートフォンの最後発であり、基本性能やソフトウェア体験を含めて、市場参入にふさわしい水準を目指したモデルといえる。だが、市場はアップルが折り畳みモデルを出す以前から、次の段階へ進み始めている。その1つが「3つ折り」型のスマートフォンだ。
3つ折り型は、本体を開くと約10インチ級の大画面ディスプレイが現れ、一般的なタブレットに近い表示領域を得られる。それを折り畳むことで、持ち歩けるサイズまで小さくできる。iPhone Duoのような2つ折りのフォールド型が中央に1つのヒンジを備えるのに対し、3つ折り型は2つのヒンジを内蔵する。屏風のように一方向へ折り畳む方式や、左右から閉じる方式を採用することで、大画面と携帯性の両立を図る。
2つ折りのフォールド型ですらニッチな存在である以上、「3つ折りスマートフォンは本当に必要なのか」という見方もあるだろう。だが、ファーウェイが24年9月に世界初の商用3つ折りモデル「Mate XT Ultimate Design」を発表すると、256GBモデルの中国価格は1万9999元、日本円で約40万円だったにもかかわらず、大きな話題を呼んだ。予約登録台数は650万件を超え、発売直後はすぐに完売。100万円を超える転売価格もみられた。
3つ折りスマートフォンは、スプレッドシートや文書を開いてもPCに近い感覚で表示でき、動画も大画面を生かして高い没入感で視聴できる。また高価な製品であることから、中国では企業経営者や富裕層、最新技術を積極的に試すユーザーの間で、ステータス性を伴う端末として受け止められている。筆者が中国のIT企業トップを取材した際にも、日本で知られる大手企業の経営者がファーウェイの3つ折りモデルを使っている場面を何度も見た。


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