初めて会ったとき、パッと目を引かれました。いかにもな「若作り」をしているわけではありません。けれど、表情が明るく、よく笑い、目が生き生きとしている。身だしなみにもきちんと気を配っているのがわかる。何より、全身から溌剌としたエネルギーを感じました。
栗山さんは1960年に大阪で生まれました。父親の仕事の関係で転校が多く、高校時代は千葉県市川市で過ごしました。進学校に通っていたものの、本人いわく「遊ぶのが楽しくて」勉強から脱落。同級生の多くが大学へ進む中、進学しなかった少数派のひとりだったそうです。
料理が好きだったことから調理師の専門学校へ進みますが、性格的に向いていないと感じ、わずか3カ月で中退。その後24歳頃まで、さまざまなアルバイトや仕事を転々としていました。
転機になったのは、大手メーカーの営業職に就いたことでした。持ち前の社交性が仕事に生き、4年間にわたって営業成績はトップクラス。28歳で課長代理への昇進が見えてきた頃、その営業力が買われ、友人からIT会社の共同経営に誘われます。
その後33歳で独立。行政書士向けのソフトを開発・販売する会社を立ち上げました。当時は現在のようにオンラインで何でも説明できる時代ではありません。プロジェクターとラップトップパソコンを自ら担ぎ、全国を営業して回ったといいます。会社は成長しましたが、当然ながらいいことばかりではありませんでした。
新たに着手した音楽配信ソフトの開発計画が頓挫し、約2億円の借金を背負うという危機にも直面します。それでも事業を立て直し、新しいソフトの開発によってV字回復。60歳の頃にM&Aの話が持ち込まれ、複数社から買収の申し出を受けた末、最も安心して会社を託せると感じた企業へ売却しました。現在は、仕事だけに追われる生活を卒業し、自分の好きなことに時間を使っています。
ここまで聞くと、「結局、成功してお金と時間があるから若々しいのだろう」と思う人もいるかもしれません。しかし、話を聞いているうちに、私はむしろ逆なのではないかと感じました。成功したから人生を楽しめるようになったのではなく、もともと持っていた「人生を楽しもうとする姿勢」が、仕事にも人間関係にも表れてきたのではないでしょうか。
生かされているだけでありがたい
若々しさの秘訣を尋ねたとき、栗山さんがまず口にしたのは意外な言葉でした。


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