有料会員登録
ビジネス

なぜAI導入の8割は成果につながらないのか?本当の原因は技術力ではなく「進め方」にあった

5分で読める
AIを活用する仕事中のビジネスパーソンのイラスト
AIプロジェクトを事業成果に着地させるための条件とは?(写真:すきやき/PIXTA)
  • 椎橋 徹夫 Laboro.AI 代表取締役CEO
  • 田辺 遼 Laboro.AI ソリューションデザイン部部長

INDEX

AIを活用する企業は間違いなく増えている。「全社員に生成AIのアカウントを配布した」「議事録の作成が速くなった」といった声も聞かれる。しかし、そうした導入事例が増える一方で、「売上が伸びた」という成果はあまり聞こえてこない。
実際、RAND Corporationが2025年に発表した分析によると、8割以上のAIプロジェクトが意図した業務価値の実現に失敗しているという。これは、非AIのシステム開発プロジェクトと比較して2倍以上という高い失敗率だ。
この差は一体どこで生まれるのか。AI開発企業Laboro.AIの椎橋徹夫氏と田辺遼氏による新刊『日本企業はAIでどう稼ぐか』から、一部を抜粋・再構成してお届けする。

4つのプロジェクトの型

『日本企業はAIでどう稼ぐか: 既存事業の売上を伸ばす事業深化』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら)

なぜこれほど失敗するのでしょうか。整理するのに役立つのが、What(何をやるか)とHow(どうやるか)という2つの軸です。

Whatとは、そのプロジェクトが生み出そうとしているビジネス上の価値のことで、事前に明確に定義できるのか、走りながら見つけていくしかないのかで分かれます。一方のHowは、その価値を実現するための技術的手段です。すでに確立されていて実装の問題として扱えるのか、試してみるまで実現の可否が分からないのかで分かれます。

この2つを不確実性の高低で組み合わせると、プロジェクトは大きく4つの型に分かれます。

技術×プロセスのマトリクス

1つめは、WhatもHowも安定している型です。従来のITシステム開発が典型で、何を作るかが要件として定まっており、それをどう作るかも技術的に見通せます。だからこそ、要件定義から設計、開発、テストへと後戻りせずに工程を確定させていくウォーターフォール型が、長く王道の進め方として機能してきました。

2つめは、Whatだけが揺れる型です。WEBサービスやアプリの開発が近く、どの機能が本当にユーザーに受け入れられるかは事前には分かりません。ただし「この機能を作る」と決めた瞬間、それをどう実装するかはおおむね見えています。短いサイクルで作っては試し、軌道修正を重ねるアジャイル型が力を発揮するのは、Howが安定しているからです。

3つめは、逆にHowだけが揺れる型で、新薬開発のような研究開発がこれにあたります。「この病気に効く薬を作る」というゴールは疑いようがなく、動かしません。動かさないからこそ、到達手段だけを探索し続けることができます。

2/2 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数