この事態を会社に相談しようにもできない。なぜなら、社用スマホの私的利用は就業規則違反になる恐れもあり、何らかの処分が下される可能性もあるからだ。
結果として、口座から毎月定額のサブスク料金が無駄に引き落とされる、という地味にツライ状態が続いてしまったという。
働くとは何か。組織と個人の境界線を問い直す
備品の持ち帰りから、食い逃げ、出張の推し活、愛人との同棲要求、そして社用スマホの私物化による自滅……。
手口や結末はさまざまだが、根底にあるのは「会社=自分を甘やかしてくれる都合の良い存在」という勘違いである。会社に長く属していると、いつの間にか「会社のものは自分のもの」と錯覚し、公私の線引きが曖昧になりがちだ。
「給料がちっとも上がらないのだから、少しくらい会社から利益を得てもいいだろう」
そんな開き直りの声も現場から聞こえてきそうだが、多くの人材を見てきた立場から言わせてもらうと、給料が上がったところで彼らのような人たちが改心するとは言い難い。
いくら待遇が良くなろうと、やる人はやる。そして、こうした人材は一般社員のみならず、経営層にもいくらでもいる。「クレクレ人間」の体質は、そう簡単に変わるものではないのだ。
会社は、親でもなければ、無限に経費を引き出せる「打ち出の小槌」でもない。
「少しくらいなら」という、ちょっとした出来心や甘えが、これまで築き上げてきたキャリアや人生を狂わせる「致命傷」になることもある。
自由で柔軟な働き方が推進される今の時代だからこそ、私たちは「ビジネスパーソンとしてのモラル」や「組織で働くとはどういうことか」を、今一度問い直すべきではないだろうか。


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