幹や枝の不思議な形を生み出す匠の技
盆栽を初めて見る方は、曲がった枝ぶりに驚くことが多いです。
ただ、こうした曲がっている幹や枝にも、実は自然のものと人工のものと、2種類あるのをご存じでしょうか。
盆栽界でも人気のある、シンパク(真柏)という樹があります。この樹は自然のまま放っておいても、幹が激しくねじれながら育つ性質を持っていて、思いもよらない変わった樹形を作り出します。
しかし、このシンパクをただ鉢に植えただけでは盆栽になりません。そのねじれ方を活かして育てる技術が問われてくるのです。
この枝ぶりなどを整える技術について、盆栽界には「鋏(はさみ)作り」と「針金作り」という言葉があります。
鋏作りは文字通り、鋏で伐って形を整えていく方法。針金作りは、銅製の針金を巻き付けて、枝の形を曲げる方法です。
古くは鋏作りが主であり、針金の使用は江戸時代にはじまりました。この針金作りによって、自由な形が作れるようになったのです。
この他にも、苗木の頃から幹を曲げながら軸木に固定し、肥料を注いで育てるなんて技術も江戸の園芸書には載っています。
こうして江戸時代には、複雑怪奇な姿をした鉢植え、「曲物(まげもの)作り」が好まれるようになりました。
一目でわかる加工の手間そのものが評価される、人工的な姿が良いとされていた時代だったのです。


