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「原油高」「金利高」「AI・半導体株調整」の「三重苦」でも、日本株が年末高になると見る確かな理由

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国防総省での追悼式典に出席したトランプ大統領夫妻(写真:ブルームバーグ)
  • 平野 憲一 ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト
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今の日本の企業収益の吸収力では、10年債利回り4%までは耐えられるとのレポートが複数のシンクタンクから出ているものの、3%台の上昇街道が見えている中では、株式市場が神経過敏になるのは、容易に想像できる。

原油価格の上昇が止まれば、金利の上昇も止まる

米国株は11〜12月に上昇しやすく、日本株も12月は配当再投資や運用機関などの「ドレッシング(お化粧)買い」などで例年強い傾向がある。いわゆる「年末高」のアノマリーだ。しかし、上記のごとく、今年の市場は、原油高・金利高がもたらす「不気味さ」に投資家の心は揺れている。当然、投資家が最も知りたいことは、原油高や日米の10年債利回りがどこで止まるかだが、原油が止まれば金利も止まる。

そこで、先ほどの話題に戻って、原油価格が止まるレベルを冷静に考えて見よう。原油価格を決めるのは「地政学」だけではない。当然のことだが原油価格は、需要と供給で決まる。

需要は明確に減速している。IEA(国際エネルギー機関)は、9月に世界需要を日量250万バレル減(従来は同160万バレル減)へと下方修正した。大口の需要国である中国の製造業PMIが再び50を割れ、欧州の景気も後退気味で、アメリカも消費は減速している。高価格を維持できるほどの需要がない。おそらく110ドルを超えると「需要破壊」が起き、価格が自律的に下がる。

また供給側では、アメリカの原油生産は27年に日量1430万バレル(過去最高)と予測され、シェールオイルは価格が上がるとさらに増産されよう。110ドルはアメリカのシェール業者が最も増産する価格帯とも言われる。これでOPECプラスなどの生産抑制効果を打ち消す方向だ。つまり、もし今後上昇したとしても、前述の5月18日の108.66ドルあたりが妥当なところではないか。

日本株についても、年末高を応援する材料もある。先週、9日寄り前に日銀が発表した8月マネーストック(金融部門から経済全体に供給されている通貨の総量、M3)の平均残高は前年比で+1.2%の約1640兆円と、伸び率、残高ともに前月を小幅に下回ったものの、残高は引き続き高水準にある。

M3よりもさらに多くをカバーする広義流動性は同+4.4%の2342兆7000億円⁠で、過去最高となった。内訳は投資信託が+13.9%、国債が+18.5%と高い伸びが原因だ。マネーストックや広義流動性の増加は企業活動の活性化を呼び、企業業績とは正の相関になる。

こうした観点から、日経平均は今後再度上昇する可能性が高い。日経平均を1つの会社に見立てたEPS(1株利益)4000円、PER(株価収益率)18倍として、年末は7万2000円を予想する。

(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

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