「とはいえ、父は価格や価値を上げることに抵抗があるようで……。現場一筋の人たちは、品質のいいものをつくることには熱心ですが、これまで販売方法にはそれほど関心がなかったように感じます。自分のつくったものにそんなに高い価格をつけるなんて申し訳ないとさえ思っているようです。
でも、日本の農業を守るためには、生産者自身が自分たちの努力を評価し、それに見合う対価を受け取っていいと気づく必要があると思っているんです」
クリスマスシーズンに合わせ、洋梨の一種であるル・レクチエをリース仕立てのギフトセットにするアイデアもある。まずは数量限定で試してみるつもりだ。評判がよければ、父も納得するのではないかともひそかに考えている。
一番いいのは、お客様に現地に来てもらうこと
農園では、桃、梨、イチジクなどを栽培しているが、輸送に関しての課題もある。
桃は傷みやすく、輸送中の環境により、熟し方も変わってくる。到着日までの日程を考え、逆算して発送しているが、なかなか難しい。特にイチジクは足が早く、八百屋やスーパーでもあまり出回らない。
「やっぱり一番いいのは、お客様に現地に来てもらうことだと考えています。だから取引先のシェフを畑に招き、実際に食べていただくことも。観光ツアーなども考えています」
加茂市のPR大使も務める西村さんが、さらに挑戦しようとしているのは、インバウンド観光だ。旅行代理店と組み、ガストロノミーツーリズム企画(その土地の食材や伝統などによって育まれた食を楽しむことを目的とした旅の形)を構想する。


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