「昔ながらの日本家屋の農家で農業体験や餅つき、書道を経験していただいたり、地域の神社めぐりをしたり、有形文化財となっている料亭で食事をしていただいたりして、加茂市の魅力を外部に伝えたいです。
国内では当たり前すぎて見過ごしている文化や風景が、海外から見たらとても魅力的に映るような気がしていて。そうすることで、産業も増え、地域が活性化されるのではないかと考えています。少しでも地域が盛り上がってほしいですね」
もともと新潟県は、スキーシーズンは海外の観光客に人気のエリア。一方で、雪がない春から秋は客足が遠のきがちとなる。このグリーンシーズンに人を呼ぶための戦略だ。
こうした施策に取り組む背景には、加茂市が人口減少という課題を抱えていることもある。少子化も進み、28年には5校の中学校が1校へ、30年には6校の小学校が2校へと再編される予定となっている。
「若者の力で地域を盛り上げていきたいというのが僕の願いです。産業や仕事が増えたら、もっと人口も増えていくはず。現在は、実家の農園の営業職として働いていますが、いずれは加茂市全体を巻き込んでいきたいです」
経験してきたことすべてが、今の仕事に生かされている
俳優から農業の営業職という思いきった方向転換をした西村さんだが、選択してきたすべてに後悔はないという。
「30代半ばからの転職は、とても勇気が必要なことでした。でも、これまで経験してきたことは、すべてが今の仕事に生かされています。大切なのは、まずは一歩を踏み出すことでした。行動して、発信することで、新たな道が開けていくんだと実感しています」
故郷から離れ、東京で俳優の仕事をしたからこそ、改めて故郷の魅力に気づいた。のんびりとした景色も、採れたての野菜や果物がすぐに手に入ることも、地道に努力を重ねて農業に向き合う人たちも、すべてがかけがえのない財産だ。
生まれ育った加茂市を盛り上げることが、今後の西村さんの活動の軸になっていくに違いない。


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