芸能事務所を退所する5~6年前くらいから、このまま俳優を続けていいのかと考えるようになった。
転機となったのは、地元・加茂市で実家の果物を知人に紹介したことだった。果物を喜んでくれる姿に、とてもやりがいを感じた。
自らを売り込むよりも、自分がいいと思ったものを人に伝える、裏方の仕事のほうが向いていると実感した。
背中を押してくれた妻の言葉
「妻が背中を押してくれたのも大きかったです。妻は、長年僕が悩んでいるのを一番近くで見ていました。それが『あなたの性格だと、芸能界で生きていくのはつらいと思う、あなたの良さを生かす場所はもっとほかにあるはず』と言ってくれました。
その言葉のおかげでようやく決断できました。25年10月、事務所を退所して、実家の農業の生産物を販売していこうと決めることができたんです」
とはいえ、いざ農業に関する仕事をするにも、なかなかスムーズにはいかない。
最初は家族で新潟にUターン移住とも考えていたが、すでに東京に居を構え、子どももいる。家族はすでに東京でなじんでいるため、環境を変えるのは難しかった。
加茂市と東京を行き来する二拠点生活も考えた。しかし、西村さんが加茂市に戻っている間、妻だけに子育ての負担がかかってしまう。


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