性格も芸能界向きではなかった。俳優として役を得るには、ライバルよりも前に出て自分をアピールする必要があった。
ところが西村さんは、一歩引いて人に譲ってしまう。謙虚さや控えめさは、一般社会のなかでは素晴らしい美点ではある。しかし、芸能界で活躍するために必要なのは、自分を売り込む強さだった。
実際、今回の取材をしていても西村さんの謙虚さが伝わってきた。
取材の依頼をした際も「こんな私が取材を受けていいのでしょうか」とあくまで控えめ。質問をしても、一つひとつ丁寧に向き合ってくれる。
目の前の人の気持ちを細やかに思いやる様子から、とても優しい性格であることが伝わった。いつも自らを売り込まないといけない世界では繊細過ぎるのかもしれない。
演技が高評価でも、ドラマの配役の序列は6、7番手
「子どもの頃の僕は、とても引っ込み思案でした。大人になってからは、だいぶ社交性を身につけはしたものの、やっぱり本来の性格はなかなか変わらないもので……。
どんどん前に出て、自分を売り込んでいけるのは素晴らしい才能だと思います。残念ながら、僕にはそれができませんでした」
演技は評価されているのに、ドラマの配役の序列は、6番手、7番手にとどまってしまう。自分にはこれが限界だと思うようになった。


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