中国のエリート高齢者には、それぞれのライフスタイルがある。彼らは老年大学・高齢者クラブにも通っている。個人の趣味に没頭し、写真撮影、書道、音楽、執筆、ヨガ、演劇やダンスなどを楽しんでいる高齢者も多い。
都市と農村の年金格差
中国では、都市と農村で年金制度が整備された時期に大きな隔たりがある。都市部の職工を対象とする年金制度は1951年にその基礎が築かれ、改革を重ねて現在の制度へ発展した。一方、農村住民を対象とする「新型農村社会養老保険(新農保)」の全国的な試行は09年に始まった。14年2月、国務院は「国発〔2014〕8号」の「統一した都市・農村住民基本養老保険制度の構築に関する意見」を発表し、「新型農村社会養老保険(新農保)」と「城鎮居民社会養老保険(城居保)」を統合し、全国で統一した「都市・農村住民基本養老保険制度」を設立する方針を決定した。
こうした制度導入の時間差により、農村では長期間にわたって保険料を積み立てる機会が少なかった人も多い。制度開始時にすでに高齢だった人も少なくなく、この歴史的な差が、都市部の職工年金と農村住民の年金水準の格差を生む一因となっている。
都市と農村の年金格差は、単なる所得の違いだけでは説明できない。年金制度そのものの違いに加え、保険料を負担する力、雇用形態、地域の財政力など、長い年月の中で積み重なったさまざまな要因が絡み合っている。年金格差の背後には、まさに中国の都市と農村が歩んできた異なる歴史が映し出されている。
中国の公的年金は、大きく「都市職工基本養老保険」と「都市・農村住民基本養老保険」に分かれている。都市部の企業や行政機関などで働く人の多くは「職工年金」に加入し、企業と本人が保険料を負担する。
一方、農村住民の多くは「都市・農村住民年金」に加入する。個人の保険料負担は比較的少なく、政府の補助を受けながら最低限の老後保障を確保する仕組みだ。保険料や給付の計算方法が異なるため、受給額にも大きな差が生じる。
年金格差を生むもう一つの理由は、現役時代の収入と保険料の負担能力の違いである。職工年金は基本的に、納付額が多く、加入期間が長いほど受給額も増える仕組みだ。都市部では安定した雇用を得て、長期間保険料を納めやすい。一方、農村では農業や自営業、非正規雇用など収入が不安定な働き方も多く、保険料を高い水準で払い続けることが難しい。
また、都市と農村では雇用構造そのものが異なる。都市では企業や行政機関など、社会保険に加入しやすい職場が多い。一方、農村では長く家族単位の農業経営が中心で、農業収入を老後の年金につなげる仕組みも十分に整っていなかった。現在の年金格差には、こうした長年の経済発展や雇用構造の違いも反映されている。


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