さらに、地方政府の財政力による地域差もある。都市・農村住民年金には中央政府の財政支援がある一方、地方政府も独自に上乗せできる。そのため、北京や上海など財政力の強い地域では年金水準が比較的高く、中西部などでは低い傾向がある。
近年、中国政府は農村住民の年金水準を引き上げ、都市と農村の社会保障格差を縮小しようとしている。しかし、保険料の納付実績や所得、雇用形態、地域の財政力には依然として大きな差がある。格差を短期間で解消するのは容易ではない。
結局、中国の都市・農村間の年金格差は、長年続いてきた都市と農村の二重構造が社会保障にも映し出された結果といえる。格差を縮めるには、農村の基礎年金を引き上げるだけでなく、農村住民の所得と保険料の負担能力を高めることも欠かせない。
農村部の厳しい現実
多くの農村部において、現実は厳しい。調査によれば、高齢者の約半数は子どもからの仕送りや労働収入に依存している。
健康な高齢者は、農作業や日雇いで収入を得る。日当はせいぜい30〜50元。70代や80代になっても田植えに駆り出され、命をすり減らしながら年金の不足を埋めているのが現実だ。さらに、高齢者が病気によって貧困に陥り、医療費が日々の生活を圧迫している場合もある。
高齢化が急速に進む中国にとって、都市と農村の年金格差をどのように縮小するかは、単なる社会保障の問題ではなく、社会の公平性や高齢者の生活の質にも関わる重要な課題となっている。


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