改修では耐震診断に基づき、木造耐震補強に役立つ建材・荒壁パネルなどの追加や構造補強を実施。安全性を向上させ、感震ブレーカーや火災警報器も設置して町家でありながら現代の居住性能にアップデート。建築基準法に基づく完了検査を経て、検査済証を取得している。
実際に見せていただくと単身あるいはカップルなら気持ちよく過ごせそうな家で、小さいながらも坪庭があるのが京都らしいところ。駅から徒歩圏でもあり、改修早々に申し込みが入っていたそうで、内覧会の時点ではすでに売却がおおよそ決まっていたという。
崩壊寸前だったといってもきちんと手が入れば居住性能には問題はなく、京町家の人気はやはり高い。
京都市は歴史的に「再建築不可」物件だらけ
さて、この再生だが、背景にはいささか面白い法改正がある。
不動産に関心のある人なら「再建築不可」という単語を聞いたことがあるだろう。災害、火災時などの危険を想定、建築物の敷地は原則として4m以上の幅員の道路に2m以上接していなければいけないとされており、その要件を満たしていない建物は原則、再建築できない。それが再建築不可である。
再建築不可を生んだ現行の建築基準法は1950(昭和25)年に施行された。だが、日本には全国にそれ以前からの市街地がある。それらの市街地が建築基準法の接道義務を満たしていないことがあるのは当然といえば当然。分かりやすいのが今回の舞台、京都である。
京都は江戸時代に3回の大火で市街地の大部分が焼失しているが、一番最後の大火は1864(元治元)年。幕末に長州勢と幕府軍が激突した禁門の変(蛤御門の変)に伴う戦闘による火災だった。


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