この年は、千葉大学の後期試験も受験し、合格しましたが「現役の時に行かなかったところには行けない」という気持ちが勝り、合格発表の日に2浪を決意します。
2浪目も駿台予備学校で受験勉強を続けることになった原さん。この1年は彼にとって、相当きつかったそうです。この年は成績が横ばいのまま、「なんで自分は勉強しているんだろう」という根本的な問いが頭をよぎるようになります。
「AIが普通に使われ始めて、わからない問題を聞いたら一瞬で答えが返ってくるようになりました。そうなると自分がわざわざ時間をかけてこれを覚える意味って何だろうという迷走が始まりました」
必要なのは覚悟だけ
それでも乗り越えられた理由を聞くと、「つらい時はつらい。乗り越える方法なんてない」と言い切ります。その上で、当時の思考を語ってくれました。
「浪人している自分には何の力もありません。だから、戦う相手が作ったフィールドでのし上がるしかないんだろうと思いました。僕の場合は入試を突破することがそれでした。『必要なのは覚悟だけだ』というのが当時の人生のテーマでした」
孤独を紛らわせてくれたのは、テレビでした。バラエティ番組で笑うタレントや俳優を見ながら、「この人たちにも18歳の頃、誰にも知られずに泣いた夜があったんだろうな」と思うようになったそうです
また、大学生になった地元の友人たちのインスタグラムも消さずに見続けました。
「羨ましいとはならなかったんです。自分にもいずれその時が来るし、東大に行ったら東大でしかできないことをしようという気持ちが強くなっていきました」
寂しい夜には、通学路にある桜並木と「お前も一人なのか」と話しかけて友達になったと笑いながら語ります。
「春だけ注目されて、夏も秋も冬も誰にも見向きもされないが、たしかにそこに存在するものを見て、自分も合格発表の日だけ注目されればいい」と、桜を励みにしていたといいます。


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