こうして、迎えた3度目の本番。共通テストは85.9%と前年と同じくらいでした。しかし、またしても1日目の数学がまったくできずに絶望します。ホテルに戻り「もう終わった」という気持ちに沈みました。
「絶望していたのですが、急にそれが怒りに変わったんです。1年かけて準備してきたのに、たかだか1日半で人生を決めやがってと思いました。もうダメだとは思っていましたが、ケジメをつけに行こうと思って2日目に向かいました」
2日目の試験中には、亡くなった曽祖父の声が聞こえた気がしたといいます。「諦めんな」という声で我に返り、最後まで手を動かし続けました。
こうして迎えた運命の合格発表の日。番号がない場合を想定したシミュレーションは完璧にしたそうですが、受験番号が画面に現れた瞬間、「吸い寄せられるように番号に目がいった」と語ります。
「何であの出来で受かったんだろうと思いました。信じられなくて、高校のクラスのグループラインに受かったと送ったら、友達が泣いてくれていました。得点開示を見たら、数学は27/120点で、最低合格点から5点だけ上回っての合格でした。じいちゃんの声の後に解いた分だけ、上回ることができたのかもしれません」
東京大学理科二類に合格
こうして東京大学理科二類に合格した原さん。
浪人してよかったことを聞くと「自分が最後に納得できる形で終われた」、頑張れた理由を聞くと、「情報格差のおかげで余計な迷いが生まれなかったこと」「『ONE PIECE』から学んだ諦めない主人公像のおかげ」と改めて答えてくれました。
「受験というのは、周りの敵や情報が見えない中で戦うものです。その中で、自分が最後に納得できる形で終われたことが嬉しいです」


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