こうして原さんは、現役時、東大の理科二類を単願で受けます。共通テストは約82%を取るも、惜しくも合格最低点まであと16点で落ちてしまいます。
河合塾や駿台予備学校が主催する高3の東大の冠模試は、4回受けるチャンスがありましたが、まともに結果を見られたのが秋の駿台予備学校の模試のD判定のみでした。
「コロナやインフルエンザで受けられなかったり、パスワードを忘れて結果が確認できなかったりしました。でも逆に、3回ろくな結果が見れていなかったのが2浪できた理由かもしれません。多分D判定だったと思うのですが、しっかり成績を把握していたら、心が折れて東大受験を諦めていた気がします」
合格発表の夜にはもう、浪人を決めていた原さん。浪人した理由を聞いたところ「東大生の半分は2浪してると思っていた」と答えてくれました。
「東大は一番難しい大学だから、半分くらいは2浪しているんだろうなと思っていました。でも、情報格差がありすぎて、それが間違いだと知っている人がいなかったんです。田舎の特権として、勘違いできるというのがあると思うのですが、自分は情報格差のおかげで、勘違いしたまま浪人できたのがよかったですね。都会に生まれていたらそんな勘違いもできなかったから、浪人していなかったかもしれません」
大好きな作品『ONE PIECE』のキャラクター、ルフィが一度や二度負けても諦めずに戦い、勝利を収める姿を見ていたので、それが彼の「浪人して戦い続けることが普通だ」という感覚を支えていました。
例年にない出題で不合格→2浪を決意
こうして1浪目は駿台予備学校のお茶の水3号館へ入った原さん。高3のD判定から夏にはC判定、秋の駿台模試ではA判定と、右肩上がりでした。
すごく綺麗なストーリーに「これはいけるだろう」という確信を持って2度目の本番を迎えます。
共通テストは86.5%と伸ばし、万全の準備をして東大受験に向かった原さん。しかし、2次試験で振るわず、またしても16点ほどの差で不合格でした。
「数学と物理が悪かったです。物理では、20年に一度しか出ないとされる『剛体』の問題が出題され、対策ができていませんでした。電磁気の分野でも、例年は回路の問題が出題されるのですがこの年は出なくて、対策不足だった電磁誘導が出たんですね。運が悪かったと思います。浪人生は過去の傾向を徹底的に研究するから古い問題には強いけど、新しい傾向には対応しにくいと思います。例年にない問題が出ると、現役生の方が有利ですね」


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