とにかく、何から何まで自分で抱え込まず、利用できるサービスを最大限に利用し、自分の負担を軽減する。それが、介護うつにならないために最も有効なセルフケアになると思います。
介護うつの引き金になっているのは、介護をする子どものほうの性格的な特性によることが多いのですが、一方で、介護される親のほうの問題で、介護している子がうつ病になってしまうこともあります。
親の問題で介護うつになってしまった、私の知人の例を紹介しましょう。
孝行息子がうつっぽくなった
その人は、要介護の母親を特別養護老人ホーム(特養)に預け、定期的に母親に面会をしたことで、精神的にダメージを受けたといいます。
親を施設に預けたら、その後はすべて施設任せという人がいますが、その人は定期的に母親の面会を繰り返しているのですから、孝行息子の部類です。しかし、面会に行くたびに母親から「なんでこんなところに預けたのか」「いつになったら家に帰れるんだ」と、きつい言葉を投げかけられるのだそうです。
「認知症があるとはいえ、毎回毎回、何度も何度も、同じことを言われる」「まるで虐待を受けているような感じ」で、面会に行くのがつらくなったそうです。
もしこの男性が共感性が低く、母親の言葉を右から左に聞き流してしまうようなタイプであったなら、面会のたびに動揺するなどということはないでしょう。しかし、その男性は共感性が高く、母親思いであった。だから母親の言葉を重く受け止め、つらくなってしまったのでしょう。
この男性の場合は、母親の衰えによって、きつい言葉をかけられる回数が減ったので、うつっぽさが重症化することはありませんでした。
介護由来の「もらいうつ」には、介護される親に由来する「もらいうつ」もあるということです。


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