宮本さんはコードの修正を命じるときも、もう一度仕様レベルに落とし込んでから指示を出し直す。AIとのコミュニケーションを破綻させないためのルールを設定しているという。
「スマホのメモアプリは、日々のアイデアでいっぱいです。自分で読み返すと、たまに『こんなことも考えてたんだな』とびっくりすることもあります。そのなかでも1カ月以上放置しているものは、その程度の熱意だということ。開発はスピードが必要なので、『やりたい』と思ったらすぐに仕様書に落とし込み、着手するようにしているんです」
「そんなすごいことをしている感覚はない」と謙遜
開発の裏側を綴った自身のブログがバズり、ITカンファレンスへの登壇や専門家からの絶賛が相次ぐ現状に対し、宮本さんは「そんなすごいことをしている感覚はないんです。誰でもできますから」と謙虚な姿勢だ。
「開発知識がないからこそ、夢中でやっている状態なんです。ただ『みんなに曲を聴いてもらいたい』という強い気持ちがあって、それを形にしただけなんですよね」
プロモーションの効率を追い求めながらも、彼女の根底にあるのは「音楽を届けたい」「ファンを楽しませたい」という、まっすぐな思いだった。
AIがどんどん普及していくなかで、エンタメ業界やアーティストの働き方はどう変わっていくのだろうか。後編では、制作現場のコミュニケーションを円滑にするためのAI活用術や、宮本さんが考える「生身の人間としてのアイドルの価値」に迫る。


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