財務省は28日、過去1カ月間の為替介入の実施状況を公表した。7月30日から8月26日までの介入額は15兆3993億円と、月次ベースでは過去最大を更新した。
円相場は7月下旬に1ドル=164円台に迫る円安水準となっていたが、7月末から8月初めにかけて急騰する場面があった。日本政府・日本銀行による単独介入と、日米の協調介入が続いたとみられる。
月次ベースでは今年4月28日-5月27日の11兆7349億円が最大だった。年間での過去最大は2003年の約20.4兆円の円売り介入。今年に入っての円買い介入は約27.1兆円となり、年次でも過去最大を更新したことになる。
「市場の円安圧力は相当強い」
SMBC日興証券の丸山凜途シニア金利・為替ストラテジストは、介入実績が月次や年間での過去最大規模を更新したことから「当局が本気で円安を止めに行こうという姿勢はもちろん感じる」と指摘。一方で、ドル・円相場が変わらず160円手前の円安水準で推移していることから「市場の円安圧力は相当強い」との見方を示した。
日次ベースの介入額は11月上旬に公表される見通し。1日当たりの介入額としては4月30日に過去最大の6兆2787億円を投じた。米国の為替介入実績は四半期ごとにニューヨーク連銀が公表しており、7-9月分は例年11月に明らかになる。
足元の円は159円台後半で推移している。円相場は約4週間、1ドル=160円の節目に達していないことから、市場では当局によるさらなる措置を依然として警戒していることがうかがえる。
日銀のデータなどに基づく推計では、日本の通貨当局が7月30日に約8兆4500億円、米国と協調介入した同31日に約5兆3300億円の円買い介入を行ったとみられていた。
介入の原資となる外貨準備高は7月末時点で1兆2871億ドル(約205兆円)。このうち米国債などを含む外国証券は9273億ドル、介入に直ちに投入できる預金は1623億ドルだった。
日米の財務相は2025年9月に為替に関する共同声明を発出。為替介入は、過度な変動や無秩序な動きに対処する場合に可能とする内容を明記した。
協調介入後、片山さつき財務相は談話で、協調介入は円の過度な変動や無秩序な動きに対処したものだとした上で、今後さらに実施することも「躊躇(ちゅうちょ)しない」と強調した。ベッセント米財務長官はX(旧ツイッター)に投稿し、円の著しい過小評価を是正するための日本の断固たる市場・金融措置を「強く支持する」と述べた。
「9月利上げ」の見方を強める一因に
日米当局による一連の動きは、日銀が9月に利上げを行うとの見方を強める一因となっており、円相場を引き続き下支えする可能性もある。
りそなホールディングス市場企画部の井口慶一シニアストラテジストは最近の為替相場について「介入警戒感もあって160円に向けた力強いドル買いは鳴りを潜めている」と指摘。どこかの時点で市場が日銀のタカ派姿勢に反応すれば、ドル高・円安トレンドが転換する可能性もあるとの見方を示した。
--取材協力:日高正裕、横山恵利香.
(情報を追加し、更新しました)
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著者:梅川崇

