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「売れない」iPhone Airが首位に立った理由、9月に交代するアップル新CEOが進める「選択肢」の戦略

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発売以来「売れない機種」と言われ続けてきたiPhone Air
発売以来「売れない機種」と言われ続けてきたiPhone Air(写真:筆者撮影)
  • 草刈 和人 テックメディア「ゴリミー」運営
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現在のiPhoneを、アメリカでの価格順に並べてみる。iPhone 17eが599ドル、iPhone 17が799ドル、iPhone Airが999ドル、iPhone 17 Proが1099ドル、iPhone 17 Pro Maxが1199ドルである。

iPhone 17とiPhone 17eは費用対効果の高い機種である(写真:筆者撮影)

599ドルから1199ドルまで、ほぼ200ドル刻みで5段階が並ぶ。かつて「両手で数えられる数の製品しか持たない」と評された会社が、iPhoneというひとつのカテゴリーだけで5階層を抱えるようになった。

しかも増やし方に作法がある。26年3月2日に発表されたiPhone 17eは、前年のiPhone 16eと同じ599ドルを維持しながら、標準ストレージを128GBから256GBへ倍増させた。日本ではおよそ9万円。入り口の価格は動かさず、中身で価値を上げる。eシリーズは春の定番になりつつあり、アップルは秋に上位モデル、春に入り口モデルという2季体制へ移りつつある。

年に一度の新型発表で全需要をさばく構造から、年間を通じて複数の入り口を用意する構造へ。この移行が、ラインナップ設計の変化として最もはっきり表れている部分だ。

ライバルは「形」で分け、アップルは「価値」で分ける

同じ「選択肢を増やす」でも、各社の分け方は驚くほど違う。

サムスンは形状で分ける。26年7月のGalaxy Unpackedで、Galaxy Z Fold8 Ultra、Galaxy Z Fold8、Galaxy Z Flip8という3機種の折りたたみを発表し、「ライフスタイルに合わせた3つの異なる折りたたみ体験」と位置づけた。折りたたみというカテゴリーの内側で、さらに枝を分けている。

ソフトウェア面でも、26年3月発売のGalaxy S26シリーズにOne UI 8.5を搭載し、5月にはGalaxy S23以降の全モデルへベータを拡大。折りたたみ3機種にはOne UI 9を先行投入する段取りを公表している。全価格帯を網羅する総合力が同社の強みであり、選択肢の多さそれ自体が戦略だ。

グーグルは体験で分ける。26年8月12日に発表したPixel 11シリーズは、Tensor G6チップやカメラの更新を含みつつ、仕様の飛躍よりAIと体験の作り込みに軸足を置いた。基本モデルは899ドルへ上がったが、標準ストレージを128GBから256GBへ倍増させている。値上げの体裁を避けつつ中身を厚くする手法は、アップルのiPhone 17eと発想が近い。両社が同じ課題に直面していることがわかる。

シャオミはブランドで分ける。Xiaomi、Redmi、POCOという3つのブランドを並走させ、価格帯ごとに別の看板を立てる。OSのHyperOS 3は25年10月から11月にフラッグシップと主要機種へ、25年12月から26年3月に各ラインへ広げ、26年末までに25機種へ配信する計画が示されている。裾野の広さをブランドの数で処理する構造だ。

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