もっとも、「一般男性」や「一般女性」といった表現が、必ずしも嫌われるわけではない。そこに“匿名である必要性”がどこまであるかだ。
「プライバシーを守るために出さない」ではなく、「あくまで一般人だから出す必要がない」と思わせてしまうと、そこに“有名人の特権性”が漂ってくる。どちらも対等な関係性であることが重要なのだ。
「やるべきこと」の結果が、あまりにも強かった
発表の時期も絶妙だった。2人は競技生活に一区切りを付けた後で、婚約を明らかにした。大会の直前でも、現役中の成績不振に苦しんでいる時期でもない。そのため、「競技より色恋を優先した」といった批判は入りにくい。
やるべきことを終えた後に発表したという順序が、浮ついた印象を抑えたのだろう。そして、その「やるべきこと」の結果が、あまりにも強かった。
言ってしまえば、りくりゅうの婚約が祝福された最大の理由は「実績」だ。2人は五輪の金メダリストである。競技パートナーとして求められた役割を、世界の頂点という結果で果たした。
恋愛によって競技がおろそかになったとは、まず見られない。むしろ、同じ年の内に、金メダル獲得と引退、そして婚約まで進んだことから、「計画的に仕事とプライベートの両立を進めていた」と、プラスの評価すらできる。
もし成績不振が続いていたなら、同じ親密さでも「競技に集中していない」「公私混同だ」と批判された可能性はある。もちろん、成績によって恋愛の是非が決まるわけではない。それでも、世間の受け止め方が実績に左右されることは否定しにくい。


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