筆者も実際に何度か店を訪れたが、週末に訪れた際には、64席あるイートインスペースが多くの利用者で埋まっていた。月曜日の夕方に再び訪れた際も、席の4割ほどが利用されていた。
イートインスペースには、買った商品をテーブルに広げながら話し込む高齢者のグループや、子ども連れの家族、ソフトクリームや飲み物を手に休憩する人たちの姿があった。21席分ある小上がりでも、複数人が腰を落ち着け、会話をしながら時間を過ごしている。
こうした光景を見ると、この店舗が取り込もうとしているのは、単なる「買い物需要」だけではないことがわかる。広いイートインや小上がりを設け、人が滞在し、会話しながら時間を過ごせる空間をつくることで、買い物にとどまらない利用を生み出そうとしているのだ。
「ここで買える」から「ここへ行きたい」へ
さらに同店では、旭化成不動産レジデンスの協力により、約100冊の絵本を無料で読めるコーナーも設けられている。店舗周辺には、子どもたちが遊べる遊具を備えた屋外広場もあり、7月31日にはこの広場を使った「ふしおテラスナイトシアター」が開催され、ローソンによれば75人が参加したという。
こうして見ると、ハッピーローソンタウンが目指しているのは、単に商品の品ぞろえを充実させることではない。店内外に人が滞在し、交流できる場を設けることで、「ここで買える」だけでなく「ここへ行きたい」と思わせる場所をつくろうとしている。
伏尾台で実際に見られた人々の過ごし方や、ナイトシアターに人が集まったことからも、その狙いは少なくとも一部では形になり始めているように見える。
ただし、人が集まることと、事業として長く店舗を続けられることは別の問題だ。ローソンは2030年までに、ハッピーローソンタウンを全国100カ所へ展開する目標を掲げている。では、人口が減り、既存の小売店も苦戦する地域で、こうした店舗を事業として成立させるには何が必要なのか。
後編では、ほかの人口減少地域への出店事例も手がかりに、その条件を考えていく。


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