JR東日本にはチーム引き受けを決断した、さらにもう1つの理由があった。リーグワンの玉塚元一理事長が発足式の挨拶で明かした。玉塚理事長がJR東日本の喜㔟陽一社長と会話をしたときに、喜㔟社長からこんな話があったという。
「玉塚さん、ラグビーは我々の仕事と非常に共通点があるんです。ワンチームです。ワンフォーオールです。リスペクトです。たくさんのチームワークで成り立っているんです。定時定刻に事故なく運営するというのは、そういう仕事なんです。だからわれわれは全社を挙げてラグビーを応援させていただきます」
ラグビーと鉄道の「共通項」
この言葉に玉塚理事長は「我が意を得たり」と思った。ファーストリテイリングCOO、ローソンCEO、ロッテホールディングス社長などビジネスの世界で輝かしい経歴を誇る玉塚理事長は、学生時代に慶應義塾大学ラグビー部で活躍。関東大学対抗戦優勝、全国大学選手権準優勝に貢献した。
慶應ラグビー部には「花となるより根となろう」という有名な言葉がある。華やかに表舞台で活躍する「花」ではなく、見えないところで土台を支える「根」の重要性を説いたものだ。「ラグビーはいろいろな体格の、いろいろな個性を持った選手が15人集まって戦う。例えばスクラムではフォワードが第1列で一生懸命耐えて、彼らが耐えたことによってボールが出て、最終的にウィングの人が格好よくトライをするが、そのトライが生まれたのは、第1列の選手が頑張ったからなのです」(玉塚理事長)。
鉄道に例えれば、子供たちに大人気なのは電車の運転士だが、運転士を陰で支えているのは、車掌であり、駅員であり、電車や線路の保守作業員である。彼らが誰ひとり欠けても、鉄道の安全・安定運行は実現しない。その意味でラグビーと鉄道には共通項が多いのだ。

