ジャパンラグビーリーグワンには初年度の2022年から参加。ホストエリアは東葛飾地域(我孫子市、柏市、松戸市、流山市、野田市、鎌ケ谷市)および白井市、印西市の8市だった。当初は1部(DIVISION1=D1)に所属していたが、2023―24シーズンは2部(D2)に降格。2024―25シーズンはD2の3位、2025―26シーズンは同4位と近年の成績は今ひとつだ。
このような状況下で、NECはチームの譲渡に踏み切った。「同僚選手の応援を通じた従業員の一体感醸成や士気高揚というチーム保有の目的と、勝つためにはプロ選手の拡充が必要というチームの方向性の乖離が大きくなった」とNECは譲渡の理由を説明する。
リーグワンではD1の上位チームほど戦力強化のために世界中からトップクラスの選手をプロ契約で迎え入れている。上位チームと互角に戦うために世界のプロ選手を集めることがはたして従業員の一体感醸成につながるのか。そんなNECのジレンマが譲渡の理由となった。
JR東「地域連携」狙い引き受け
引き受けに手を挙げたのがJR東日本だった。決断の背景には、チームのホストエリアが常磐線などのJR東日本の事業エリアと重なっていることがある。
チームは8市との連携協定に基づき、地域の小中学校を訪問して食育に関する授業やラグビー体験会を行うなどの活動を欠かさない。JR東日本も地域との連携、企業スポーツを通じた地域の諸課題の解決、アスリートの情報発信による健康増進などに力を入れているが、今後はラグビーというチャネルを使って展開できると考えたのだ。
発足式と同日、7月20日にJR東日本と千葉県および8市が地域連携に関する協定を締結した。これは同社のCSR的な側面だが、それだけではない。BtoBビジネスが中心のNECと違い、JR東日本の基本はBtoCビジネスであり、チームのファンは自社の顧客でもある。観客動員数が増えれば彼らが試合時に利用することによる輸送・駅ナカなどビジネス面での貢献もゼロではない。

