あきお(37歳、仮名)には離婚歴があった。5歳年下の前妻、みさ(仮名)とは結婚相談所で出会い、交際を経て結婚した。
ところが、結婚生活が始まると、みさが精神的に親離れできていないことがわかってきた。毎晩のように母親と長電話をする。実家へ泊まりがけで帰ることも多かった。結婚して半年が過ぎた頃には、実家に泊まる回数がさらに増えていった。あきおは子どもを望んでいたが、みさは「子どもを産んで育てる自信はない」と言う。
2人の間には少しずつ隙間ができていった。何度か話し合いを重ねたものの、関係を修復することはできず、結婚から1年後に離婚した。
その後、あきおは再婚を目指して、再び結婚相談所で婚活を始めた。今度こそ精神的に自立した女性と家庭を築きたいと考えていた。そこで出会ったのが、あや(37歳、仮名)だった。
母に何かあったら駆けつけたい
メーカーの総合職として働き、仕事にも自分の生活にも責任を持っている女性だった。仮交際は順調に進み、2人は真剣交際へと入った。ところが、結婚後の住まいについて話し合ったとき、あやがこう言った。
「私は一人娘で父は他界している。私が結婚すると、母は1人になってしまう。何かあったときに様子を見に行けるよう、新居は母に何かあったときに駆けつけられる場所に構えたいの」
その言葉を聞いたあきおの脳裏に、前の結婚生活がよみがえった。何かあるたびに実家へ帰っていた前妻と同じことが起きるのではないか。そして、筆者に相談があった。
そこで、こう伝えた。
「前妻とあやさんは、まったく別の人格です。母親を大切にする気持ちがあることと、母親に精神的に依存していることは違うのではないですか?」
さらに2人が結婚後も仕事を続け、共働き夫婦を目指すなら、女性側の実家の近くに新居を構えることには利点もあることも伝えた。


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