お見合い当日、2人の間でタバコの話は出なかったそうだ。それ以上にたかよしの話が面白く、一緒にいる時間が楽しく、2人はその後、仮交際に入った。
それでも、タバコのことが気にならなくなったわけではない。そこで、あゆみはLINEで自分がタバコを苦手としていることを伝えた。
すると、たかよしからは「電子タバコを1日に2~3本吸っています。ただ、人と会食をしているときは目の前では吸わず、席を外して喫煙所へ行くようにしています」と返信があった。
その後もデートを重ねたが、最初のうちはたかよしはタバコを吸う様子を見せなかった。ところが、3度目のデートのとき、レストランで夕食を終えると「ちょっと一服してくるね」と言って席を立った。
我慢するのか、許容するのか
デート後、あゆみから相談があった。
「今は席を外して吸っていますが、交際に慣れてきたら、そのうち私の前でも吸うようになるのではないでしょうか」
そこで、筆者はこう答えた。
「もし、そうなったら『私はタバコが苦手だから、私の前では吸わないでね』と伝えたらどうでしょう。彼がルールを守り、あゆみさんの気持ちを尊重してくれるなら、彼の嗜好まで否定する必要はないのでは?」
ここで問われるのが「我慢」と「許容」だ。
嫌なのに何も言わず、タバコの匂いや喫煙する姿に耐え続けるのは“我慢”である。我慢を重ねれば、やがて、「私のために、なぜやめてくれないの」という不満に変わる。
一方で、「自分の前では吸わない」という境界線を伝え、それを相手が守ってくれるなら、喫煙という相手の嗜好を認めることができ、“許容”できるのではないか。
あゆみは、後者を選んだ。タバコを好きになる必要はない。ただ、自分の嫌なことを伝えたうえで、相手の嗜好も1人の人間の選択として認めることにした。その後、2人は真剣交際に入り、成婚していった。


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