私が1年目の頃は、ベテランの先生が指導教諭としてついてくださり、自由に実践させてもらいました。自分には若さしかないと思っていたので、先輩方がまだやっていないことをとにかくやってみようと、よりよい学級経営を目指して夢中で挑戦していました。そのような「教員が工夫する余地」そのものが小さくなっていると感じます。
職員室そのものも変わりました。効率化が進み、無駄話をする時間が減り、余白がなくなっています。飲みに行くことも、厳しく指導することもハラスメントと受け取られることを恐れ、以前のような関係性を築きにくくなりました。
以前はよい意味で、学校全体で何もかも足並みをそろえるという雰囲気はなく、周りの先生方も、「若いのだから、どんどんやってみなさい」と自由に挑戦させてくれました。一緒にスポーツをしたり、悩みがあれば飲みに連れて行ってくれたりする先生もいました。今の学校では、そのような文化がどれくらい残っているのでしょうか。こうした職員室の変化も、新人教員の育成に少なからず影響しているのではないかと思います。
教員は採用された瞬間に一人前になるわけではありません。子どもと向き合い、先輩から学び、試行錯誤を重ねる中で成長していく専門職です。その成長を支える環境そのものが、少しずつ失われているように感じています。
教員になってもらうために大切な3つのこと
教員不足への対策として、給与の改善や教員の増員はもちろん重要です。しかし、それだけでは教員になりたい人は増えないと思います。よりすてきな人たちに教員という仕事を選んでもらうためには、以下の3つのことが必要だと考えます。
1つ目は、教師の裁量を増やすことです。私は教員を辞めた後、民間企業で働くようになりました。そこで感じたのは、組織として目標は共有しながらも、達成方法については個人の判断に委ねられている場面が多いということです。もちろん責任は伴いますが、自由があるからこそ、工夫が生まれます。
一方、学校では朝から退勤時間までずっと学校にいなければならないなど、細かく管理される場面が少なくありません。しかし、教員はクリエイティブな専門職です。よい授業は教科書だけを見ていて生まれるものではなく、休日に見た景色や街で耳にした会話、地域との出会いなど、日常のすべてが教材になるはずです。だからこそ、教員を学校という空間に縛り付けず、少しずつ裁量労働制に移行していくべきだと考えます。


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