実際に、職員会議をオンラインでもできるようにし、自宅から参加できる学校があります。退勤後すぐに家庭へ戻り、その後オンラインで会議に参加するという働き方は教職員からも好評だったと聞きます。災害時にも活用できるこのような取り組みは、校長のマネジメントや教育委員会の柔軟な運用によって実現できるはずです。
教員を管理するのではなく、信頼する。そのことが、教員1人ひとりの創造性を引き出し、教育の質を高めていくのではないでしょうか。
教員不足を解消するため2つ目に必要なのは、教員の余白を取り戻すことです。余白を生み出すには、業務の精選が欠かせません。「昨年もやっていたから」という理由だけで続いている書類や会議、提出義務や保存義務のない資料は思い切ってなくすべきです。
また、通知文や会議資料など、生成AIが支援できる仕事は積極的に活用し、教員にしかできない仕事へ時間を振り向けることが重要です。
余白が生まれれば、若手を育てる時間ができます。教員同士が学び合う時間も生まれます。新しい授業に挑戦することもできます。
3つ目は、「教員になりたい」と思える職業にすることです。最初にも述べた通り、教員になりたいという思いを持つ人は、決して少なくありません。
しかし、「教員はブラック」というイメージが社会に定着し、教員になるのを躊躇している優秀な人がたくさんいます。だからこそ、教員という仕事が、自ら考え工夫しながら働ける専門職であることを社会に示していく必要があります。裁量があり、余白があり、やりがいのある環境があれば、教職を志す人は増えていくはずです。
教員採用試験の倍率だけを見て、「教員の質が低下した」と結論づけることはできません。実際に多くの教員は、使命感をもって、素晴らしい教育活動を行っています。しかし、現場で起きている変化からも目を背けることはできません。今必要なのは、「どうすれば教員をもっと管理できるか」を考えることではなく、「どうすれば教員が成長し続けられる環境をつくれるか」を考えることです。
子どもは、信頼されることで成長しますが、それは教員も同じです。教員を信頼すること。つまり、教員に裁量と余白を取り戻すこと。それは単なる働き方改革ではありません。よりすてきな人たちが教員を志し、子どもたちの可能性を伸ばしていく。その好循環を生み出すことこそが、これからの教育改革に最も必要なことではないでしょうか。




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