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1着《2万9700円》なのにインバウンド客に爆売れ!…「着物アロハ」が成田空港店の"わずか1坪"で月商300万円を売る訳

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サムライアロハ
使われなくなった着物を再生した服を販売する「サムライアロハ」(写真:サムライアロハインスタグラム(@samurai_aloha)より
  • 高井 尚之 経済ジャーナリスト、経営コンサルタント
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誕生の理由は2つある。1つはこの「着物」の存在で、長年抱いていた問題意識だった。

「大学を卒業し、ブランド品を中心とした古物商・質屋を手掛ける大黒屋に入社しました。仕事は面白かったのですが、古物を扱う中で不満に思っていたことがあります。日本には立派な手仕事の技術があり、世代を超えて受け継がれてきた名品も多い。『でも海外のブランド品に比べて、なぜこんなに評価が低いのだろう』。その象徴が着物でした」

調べてみると、着物は約2億着の箪笥(たんす)在庫があり、古物の現場にも多く持ち込まれていた。中には売値を下げても買い手がつかず、やむなく廃棄される着物もあった。

アロハシャツ(2万9700円)。着物の柄を生かしながら、アロハシャツとして自然に見えるよう柄合わせされている(画像:サムライアロハ公式サイトより)

もう1つは、2011年に起きた東日本大震災後の被災者の雇用だった。

「被災地では多くの保育園が津波で流され、お子さんを預けることができなくなり、仕事に出られないお母さんが多くいました。その人たちに『在宅で育児をしながら仕事ができる方法がないか』を考えていたのです」

そこで、子育て中の女性に在宅勤務で「着物を集める、洗う、裁断する」を分業で委託するようにした。ブランド名の「サムライ」には東北の和文化と不屈の魂を込めている。

ボタンには竹素材を採用し、温かみのある風合いに仕上げている(画像:サムライアロハ公式サイトより)

震災を機に退職、宮城県に戻って起業した

「あの震災がなかったら、今でも東京でサラリーマンをしていたと思います」

こう話す櫻井氏の運命を変えたのが、東北地方を襲った大地震と津波だった。

当時の櫻井氏は、大黒屋の新宿西口店店長を経て、28歳でフランチャイズ事業課長に就任。その2年後に震災が発生し、宮城県岩沼市の実家も被災した。

「仙台空港の近くだった実家は奇跡的に持ちこたえましたが、母が運営していたデイサービスの施設は津波に流されました。当時は勤務先で責任ある立場を任されていましたが、被災後にガレキの前で号泣する母の姿に胸が痛みました。『ここで決断しないと後悔する』と思い、会社に相談して退職。故郷に戻ったのです」

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