そんなもん計ってどんな意味があんねん、と考えられる向きもあるだろう。年齢なんか、本人においくつですかと尋ねたらわかるし、疑わしい時は、戸籍を取り寄せてもらえばいい。
しかし多くの研究から、実年齢とメチル化時計による年齢の「ずれ」に意味があるという事実がわかってきている。
どういうことかというと、実年齢とメチル化時計年齢のずれが、死亡率や心血管疾患、認知症、あるいは、フレイル(筋肉の衰え)と相関するというのである。
メチル化時計によって推しはかられた年齢が実年齢より若ければ病気になりにくいとは、メチル化時計、畏るべし。
メチル化時計の進行を遅らせることは可能か?
ここまでくると、次のステップは想像がつくだろう。薬剤でも生活習慣の改善でもいい、何らかの介入をおこなうことにより、メチル化時計の進行を遅らせる、あるいは、巻き戻すことが可能かどうか、である。
これまでに、運動、健康にいいとされている地中海食、寿命を延ばすと期待されているカロリー制限や薬剤、といったものが試された。しかし残念ながら、すくなくとも現時点において、確実にメチル化時計を遅らせるものは見つかっていない。
たとえ、メチル化時計を遅らせる何ものかが見つかったとしても、メチル化時計がどうして刻まれるかのメカニズムがわかっていないのだから、本当に若返らせたと判断していいかどうかは不能である。
なのではあるが、現時点ではメチル化時計しか頼る方法がないのだから、いたしかたなし。といったところなのである。


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