2つのグループうちのひとつであるHorvathらは、血液細胞だけでなく、肝臓、腎臓、皮膚、脳、唾液に含まれる細胞でも、同じ方法で、同じように年齢を推定できるという結論を導き出していた。
DNAのメチル化パターンというのは、細胞の種類によって大きく異なっているので、いろんな細胞で同じメチル化時計を共通の指標に使えるというのは、生命科学の「常識」に著しく反する。なので、信じられなかったのも当然だ。
論文をNature誌に投稿したが、あえなく玉砕したとの恨みをHorvathは後年になって発表している。そら、したくなるやろな。
だが、それ以降、類似の研究がおこなわれ、何種類ものメチル化時計が報告されてきた。いまとなっては、メチル化時計を疑う者はない。
ヒトもネズミもゾウも同じ時計を持っている
さらに、メチル化時計はいろいろな哺乳類に存在することがわかっている。
なんと185種の哺乳類の1万以上のサンプルを解析したところ、すべてに共通したメチル化時計があり、年齢推定の誤差は1年に満たなかったというのである。
ヒトもネズミもゾウもクジラもカンガルーも同じ時計を持ってるって、神様が横着して使い回ししたのかとすら思いたくなる。
不思議な時計であるが、その正しさについては、もはや疑う余地はない。ただ、どうして年齢がDNAメチル化に刻まれていくのかについては、まったくわかっていない。仮説があるにはあるが、ほとんどブラックボックスである。


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