話を現代に戻そう。プーチン大統領が択捉島に上陸した意味は、16年前と比較にならないほど大きい。
そもそもメドベージェフ氏が2008年から12年まで大統領を務めたのは、ロシア憲法が連続3選を禁じていたためで、プーチン氏の“代理人”にすぎなかった。その後、プーチン氏は大統領職に復帰し、20年には大統領の任期を6年に延長して、24年の大統領選では87%の支持を得て当選。30年までその地位を確実にするとともに、36年までその職にとどまる可能性が高まった。
「終身大統領」も夢ではないと言われるプーチン氏の択捉島上陸は、日本政府を震撼させた。
「2024年1月にプーチン大統領が北方領土を必ず訪問する旨を述べて以来、日本政府としては、ロシア側に対し、大統領による北方領土訪問が行われないよう、累次申し入れてきました。 それにもかかわらず、本日、プーチン大統領が択捉島を訪問したことに、強く抗議します」
高市早苗首相は早速、自身のX(旧ツイッター)に抗議文を投稿。茂木敏充外相もニコライ・ノズドレフ駐日ロシア大使を召喚し、強く抗議するとともに、外務大臣談話を発表した。
サハリン2という足かせ
だが、16年前には前原誠司外相が河野雅治在モスクワ日本大使を一時帰国させたが、今回は大使を召還する様子はない。
原因はエネルギー問題だ。ロシアによるウクライナ侵攻を受け、日本は22年12月5日付からロシアからの原油輸入については事前確認を要するとし、石油製品についても23年2月6日付から同手続きを求めている。
しかし、LNG(液化天然ガス)については、日本の需要の9%相当分の輸入元であるサハリン2は対ロシア制裁の対象外とされた。そして2月28日のホルムズ危機以来、日本は中東産の原油以外の調達先を模索するとともに、ロシア産原油の輸入を再開した。
5月には、サハリン2で生産された原油を積んだタンカーが愛媛県今治市の太陽石油・四国事業所に到着し、エネルギー問題は一息ついた。これは同時に、ロシアに日本の生命線の一部を握られたともいえるだろう。


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