「自分の経験を誰かの役に立てたい」という想いを着実に叶えていった梅津さんだが、人生は再び大きく揺れ動く。
退院から約8年後の2020年、「全身性エリテマトーデス(SLE)」が再燃したのだ。
「当時、以前から抱えていた病気による腰の不調が悪化していて。コロナ禍に突入したことだけでなく、腰の治療に専念する関係で、一旦自身の活動を縮小させていたんです。腰の手術は無事成功したんですが、術後のリハビリ中にSLEが再燃して…」
梅津さんは再び意識を失い、ICUへ搬送される。約2週間後に意識を取り戻すも、朦朧とした意識の中で、こう思った。
「あぁ、またか…って。せっかく前を向いて日々を送っていたのに、心底絶望しました」
「子どもを持つ」という夢が打ち砕かれた
実はこの頃、梅津さんは腰の治療だけでなく、今までどうしても諦められなかった1つの夢に向けて動き出していた時期でもあった。その夢とは、“子どもを持つ”ということ。
「挑戦していないことを諦められないと思って、夫婦でたくさん話し合って、不妊治療を始めたばかりだったんです。でも、突然また自分の命が危ぶまれる状態になってしまって…。当然ながら、不妊治療は断念せざるを得なくなりました」
夫だけでなく、家族や病院にも何度も相談し、子育てができる環境を整えた上で踏み出した不妊治療。しかし、梅津さんの長年の夢を、病気は容赦無く一瞬で打ち砕いたのだった。
病気の再燃、子どもを持つという夢の断念。唐突に突きつけられた残酷な現実に、梅津さんは大きな悲しみの渦に飲み込まれた。しかし、前回の入院時とは決定的に違うことがあった。それは、“強烈な孤独感”を感じることがなかったということだ。
時はコロナ禍、以前のように家族や友人が気軽に病室に来れない中、なぜ梅津さんは孤独を感じなかったのか。


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