先進的なEVの運転感覚をエンジン車風に演出することの是非はともかく、独特のおもしろさがある。それが幅広いフェンダーを備えた外観や、紫や黄色などのボディカラーと相まって、スーパーワンの注目度を高めた。小さなボディに、いろいろな楽しさを凝縮させている。
スーパーワンが人気を高めた2つ目の理由は、割安な価格と、多額の補助金による買い得度だ。
スーパーワンの価格は339万200円で、N-ONE e:の上級グレード「e:L(319万8800円)と、19万1400円しか違わない。内外装や走行性能を考えれば、相当に割安である。
さらにEV関連の補助金額も、N-ONE e:と大幅に異なる。国が交付する26年度の補助金額は、スーパーワンが130万円、N-ONE・e:Lは58万円だ。スーパーワンの補助金額は、N-ONE・e:Lに比べて72万円も多い。
その結果、車両価格から補助金額を引いた実質価格は、スーパーワンが209万200円、N-ONE e:Lが261万8800円となり、スーパーワンのほうが52万8600円も安く手に入る逆転現象が生じている。
スーパーワンはもともと割安な価格であるうえ、高額な補助金設定により、買い得度をさらに押し上げたのだ。スーパーワンを買いたいユーザーには大きなメリットだが、N-ONE e:の立場はどうなるのか。
割高に見えるインサイト
またホンダは、26年4月に中国で生産するEVの「インサイト」を3000台限定で輸入販売すると発表した。
ミドルサイズの5ドアハッチバックで、価格は550万円と高いのに、国が交付する補助金額はスーパーワンと同じ130万円だ。車両価格から補助金を引いた実質価格は420万円となる。スーパーワンと比べて割高に見えてしまう。
ホンダは軽商用車の「N-VAN e:」も含めると、4車種のEVを用意するが、スーパーワンの価格が極端に割安になった結果、ほかの3車種はすべて割高に感じてしまう。この割安感の偏りは、複数の商品をバランス良く売る必要のある自動車メーカーとして、好ましくない商品展開だ。


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