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キャリア・教育 #学校という身近な”異世界”の物語「知られざる教員のリアル」

暴言や暴力は日常…「言っても聞かない」生徒への指導で苦悩する教員、校長の「理想の学校づくり」への不信感

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黒板に書かれた「死ね」「バカ」
(写真:Graphs / PIXTA)
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確かに、2000年の学校教育法施行規則の改正で職員会議の位置づけは変わった。校長の職務を円滑に執行する補助機関に位置づけられたのだ。教員の意見を聞くことはあっても、話し合いや多数決によって決定する場ではないと文科省も通知を出している。つまり意思決定は、校長の権限と責任で行うということだ。

では、何でも校長の裁量で進めていいのかといえば、所属教員との丁寧なコミュニケーションは必要なのではないだろうか。中田さんも校長の方針すべてを否定してはいない。不登校への手厚い対応や、多様性を大事にする姿勢には意義を感じる。だが、校長の「理想の学校」づくりが、教員間の十分な話し合いなしに進むことには危うさを覚える。

「本当に独裁だなと思うことがあります。最初は『これでいいのか』と思ったのに、そこにいると慣らされていく。それも怖いです」

定期テストの見直しもその1つだ。単元テストで定着度を確認すればよいとの考えから、実施教科が次第に減らされ、現在は年に2回になり最終的には廃止する方向という。

「定期テストがなくなれば、問題作成、採点、返却、成績処理に伴う教員の負担は軽くなります。でも、子どものためを思ったら、本当になくしてよかったのか。テストがないと、勉強しない子は本当にしない。誰にとってよかったのかという疑問が残ります」

定期テストや宿題、校則を見直し、注目された公立中学校もある。例えば、東京都の麹町中学校や桜丘中学校では、当時の校長のもと、生徒の自律や多様性を重視する改革が進められた。一方、校長交代後に、こうした取り組みの一部は見直されたとも報じられている。

前任の校長が始めた取り組みを、そのまま維持することが常に正しいとは限らない。だが、校長個人の理念に依存させず、教員間で目的を共有し、持続できる仕組みにできるかは問われるところだ。

中田さんの違和感も、定期テスト廃止そのものだけにあるのではない。校長の理想が学校全体で検討、共有された方針なのか、それとも校長が代われば再び大きく変わる、個人に依存した取り組みなのかという点にある。

「職員会議では、校長の話をただ聞き流しているだけの先生が多いんです。それは意見を言っても聞き入れてもらえない、言ってもムダだという経験から。だんだんとやる気がなくなり、諦めていく。みんなで意見を出しあって納得するところまで検討したわけでもないのに、校長主導で改革が進んでいく。自分(校長)が描いている理想の学校づくりは、私立中学とか落ち着いた生徒だけの学校でやってほしい。現場は、落ち着かない生徒に日々向き合い、毎日必死に『今日は何が起こるのか』と対応を考え、周りの教員と知恵と力を合わせる闘いです。対応を担うのはいつも現場の教員です。そこは納得がいきません」

誰が、どう管理職に選ばれるのかが見えない

中田さんは、学校運営への違和感は、管理職の選ばれ方ともつながっているのではないかと見る。校長の権限が大きい一方、どのような基準で管理職に選ばれるのか、現場には見えにくいからだ。

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