現在の勤務校では、生徒に寄り添う方針が「強く指導しない」空気につながり、歯止めが弱くなっているのではないかと感じている。特につらいのは、女性教員への暴言や暴力だ。
「『死ね、くそババア』はしょっちゅうです。蹴られたこともあります。でも、男性の教員には本能なんですかね、立ち向かっていかない。特に強そうな男性には相手の出方を見るけれど、女性には向かってくるんです。今になってこんな形で女性差別を体験するとは思いませんでした」
一部の生徒が壁を壊したり、ほかの生徒に暴力を振るったりすることもある。管理職から「警察に通報してもよい」と言われ、生徒との関係がさらに悪化するのではないかと迷いながらも、実際に警察を呼んだこともある。
「警察が来ると、多くの生徒たちは慌てます。まずいとはわかっているんです。でも、そこまでしないと止まらないのかと思うと複雑です」
問題行動を起こす生徒にも、仲間内では違う顔を見せるなど、良い面もある。切り捨てられないからこそ教員も向き合い続ける。だが、暴言や暴力を受け続けることが当然であってよいのか。生徒の人権についてはすぐに問題視されるが、教員に人権はないのかと感じることが多い。中田さんには割り切れない思いが残る。
職員会議は「話し合いの場」ではないが…
中田さんが現在の勤務校に赴任して驚いたのは、ルールの緩さだけではない。学校運営の進め方にも違和感があった。
「前任校では、教員同士で話し合う文化がありました。でも今の学校では、職員会議は話し合う場ではなく、校長の考えを理解する場だと言われたんです。教務主任は校長の考えを具現化するのが仕事だと聞いたときは、少し引っかかるものがありました」


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