被暗示性のスペクトラムで度合いが進んだ位置にいる人は、ストレス下で教条主義に向かって急激に進んでいくが、被暗示性が低い人と比べると進むスピードが速く、その動きもはっきりしている。
重要なのは、急性で短期的なストレスと長期間持続するストレスでは、影響に違いがあるという点である。
数週間、数カ月間、あるいは数年間にわたってストレスを受け続けてきた身体は、ストレスを短時間受けてから、平穏状態に回復した身体よりも、深刻で持続的な影響を受けるだろう。
とりわけ、長期にわたるストレスほど、その影響を正確に測定したり、心理学実験で倫理的な方法で誘発したりするのが難しくなる。
脳は「復活する」ことができる
ある自然実験による研究では、大変な試験を控えて6週間試験勉強をしてきた医学生と、ストレスが比較的少なく、試験勉強なしで6週間勉強してきた学生を比較した。
研究チームは、ストレスを受けた被験者による意思決定は、柔軟性の低い習慣的行動パターンに偏っており、彼らの脳の形態もそれに付随して変化していたことに気づいた。
そしてなにより重要なのは、ストレス要因が緩和された後では――テストが無事終了すれば――ストレスが引き起こした脳の構造や機能の変化が逆転するということだ。
これは、ストレスが硬直性に与える影響が固定的ではないことを示している――脳は、穏やかで、柔軟性があり、探索的な行動を取る姿へと「復活する」のだ。
不安を感じている医学生や、世話をする人から一時的に引き離された幼児、冷たい水に手を浸して震えている被験者において、ストレスが硬直的思考に与える影響を観察できるのなら、弱まることのない持続的なストレスのある環境に浸かることは、きわめて深刻で憂慮すべき影響をもたらすはずだ。
(翻訳:熊谷玲美)


※ログイン後、コメント入力が可能です。